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施設訪問記 ―防災意識の啓蒙―

またまた登場してしまいました
『箕馬』でございます

初登場の際に私の経歴に触れましたが
新聞記者というものを少しばかり経験しておりまして

その名残からとある施設を取材し
今回は訪問記の体裁で作文してみました

拙い取材力・文章力ではございますが
お暇つぶしにどうぞ


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自然の恐怖を銘記せよ――



天災による惨事を記録した施設

「災害大国」という不本意な呼称がつけられて久しい我が国
いつ起こるか予測不能な天災に対し
どのような備えが必要なのであろうか
6400人超の死者を出した阪神・淡路大震災から
今年で丸14年が経過した
この未曾有の災禍を風化させないよう
兵庫県下をはじめとする各地にさまざまな施設が存在している
今回はそのひとつである兵庫県西宮市の
「仁川百合野町地すべり資料館」を探訪した



やすらかに――34名の方々へ

阪急電鉄今津線「仁川駅」で下車
取材日が日曜日ということもあり
阪神競馬場への来場客で賑わう同駅だが
目的地側である反対側の西口は穏やかそのもの
東西に流れる二級河川・仁川沿いを歩いていると
時間の流れがゆっくりと感じられた
せせらぎが聞こえるほど閑静な住宅街
心が洗われるような気分を味わいつつ歩くこと約20分
目に飛び込んできた慰霊碑に背筋を正した
施設訪問記 ―防災意識の啓蒙―_b0139281_1251214.jpg
供えられた花がみずみずしさを保っていたことから
お参りに来る方が絶えないことが窺われた
「やすらかに」と刻まれた石碑の背面には
「1995年1月17日 阪神大震災地すべり犠牲者の碑」
「仁川百合野町 26名 仁川町六丁目 8名」
と刻まれている
この地で土砂に飲み込まれた全ての方々へ
哀悼の意を込め合掌した



自然の恐怖を再確認

「仁川百合野町地すべり資料館」は
1997年3月に兵庫県が設立した2階建ての建物で
慰霊碑から坂を上ってすぐのところにある
入館して記帳を済ませ
パンフレットを手に取って見学させていただいた
施設訪問記 ―防災意識の啓蒙―_b0139281_1324898.jpg

まずは2階の展示室Ⅰへ入室
こちらは「地すべり」とは何かを説明したパネルや
仁川百合野町地区の地すべり前後の航空写真
被災後の地すべり対策工事の経過を記録した施工写真
そして対策工事の仕組みをわかりやすく表現した
ジオラマ模型などが展示されている
施設訪問記 ―防災意識の啓蒙―_b0139281_1354362.jpg

同館案内員の道元忠男さんは
「地すべりが起こった原因のひとつとして
地下水の浸透による地盤の弛緩が挙げられる
地震の揺れにより地下水が流れ込んで弱化した粘土層の上の
盛り土がすべり落ちたのだろう」
と述べる
地すべり直後の航空写真が
一瞬のうちに34名もの命を奪った土砂の恐ろしさを物語っている
施設訪問記 ―防災意識の啓蒙―_b0139281_138768.jpg



再発防止に向けての施工

地すべり対策に最も重要な手段は
地下水の排除であることから
集水井(井戸) 横ボーリング 井桁よう壁
などで地層に浸み込んだ水を除去するシステムを構築
また重さ約1トンの抑止杭を142本打ち込んで
地盤のずれが生じないようにすることで
地すべりを最小限に食い止められるような対策を講じている

ジオラマ模型は100分の1スケールで
対策工事を立体的に表現している
ボタンを押すことで地盤が開き
地中の施工の様子が確認可能となっている
断面も視認できるうえ
音声ナレーションによる解説も聞くことができる
施設訪問記 ―防災意識の啓蒙―_b0139281_152045.jpg



「元の姿」を目指して

展示室Ⅱでは六甲山系周辺の土砂災害危険箇所を示すパネルと
阪神・淡路大震災の被災写真が展示されている
神戸市長田区の住宅密集地での火災は
当時テレビで報道されていたが
同区では土砂災害もあった模様
へしゃげた三菱銀行(当時)兵庫支店ビルの写真など
惨状を伝える20枚の写真を閲覧できる
施設訪問記 ―防災意識の啓蒙―_b0139281_1541265.jpg
施設訪問記 ―防災意識の啓蒙―_b0139281_1541948.jpg
2つの展示室の間に自動観測システム監視室がある
仁川百合野町地区に設置された各種計器類が
日常ゆっくりと起きている地すべりを計測し
集計したデータが兵庫県庁へ自動送信されている
わずかな異常を見逃さないよう最新技術を駆使している

1階には50名を収容できる放映室があり
県土木部砂防課が制作したビデオを見ることができる
土砂災害の恐ろしさと県が講じた対策を解説した映像で
「傷ついた町はゆっくりと元の姿を取り戻す」
というナレーションがとても印象的だった



惨害を銘記し防災意識を高めよ

同資料館設立の目的について道元さんは
「大災害による甚大な被害をこうむっても
時間とともに忘れてしまうのが人間
我々は自然の恐ろしさを伝えていくとともに
日頃からの防災意識を高めてもらえるよう努力している
今の小学生はすでに阪神・淡路大震災を知らない世代
あの惨事を語り継ぐことで再発防止に努めていきたい」
と語った

毎月平均200名ほどが来館するそうだが
例年1月は追悼者が多く
他の月をはるかに上回る来館者数であるそうだ
災禍を風化させないよう
たくさんの方の目に焼き付けてもらいたい



◆施設詳細とアクセス

「仁川百合野町地すべり資料館」

西宮市仁川百合野町10-1
県立甲山森林公園の東隣

開館時間 10:00~16:00
休館日 毎週月・木曜日
入館料 無料
問い合わせ先 0798-51-5904

アクセスは阪急電鉄今津線「仁川駅」より約1.6km
仁川沿いを歩いて約20分
森林公園の隣という立地上
ハイキングがてらに訪れる方も多いそうだ
資料館に駐車場がないことや
周辺道路の幅員が狭いことから
自家用車での来館は避けてほしいとのこと


written by 『箕馬』

by alpoa | 2009-06-24 02:19 | 『箕馬』日記
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